感動の最終回(ではないけど。) [APSライフル]
”だれにでも初めてはあるじゃないですか”、
気性の激しい織田は、先輩医師の徳川に、食って掛かっていった。
”そうはいっても、失敗を経験させたくはないんだ。”
”失敗でも経験しないよりはマシです。”
”お前にとってはそうだろう、しかし、残されたものの悲しみを考えたことがあるのか”
”それでもこの症例は報告されていないんです。このタイプのシリンダーの開頭手術の報告例はないんです。誰よりも先に紹介することが大事なんです”
若い医師の決意は、固そうであった。それをみた、先輩医師は、
”十分なまえしらべはしておけよ”あきらめさせることはできなかったが、それでも失敗を起こさせないために
最後の助言をした。
”そんなことわかっています。そのためにこの”シリンダーオープナー”を用意しました。これで、患者への負担は最小限にとどめることが可能なんです。”
織田は、失敗することなど考えることもなく、手術を結構することを決めた。
手術当日、患者と新しい開頭道具が用意された手術室は、いつものようにBGMが流れ、リラックスしたムードで仕事が開始された。
”それでは、はじめます。”
織田は、注意深くシリンダーを持つと、シリンダーオープナーをセットし、おもむろにまわし始めた。織田の手は、予想に反し回転を始め、接着剤による抵抗は感じられなかったが、何か別の金属がすり合わさるような感触を感じていた。
”はじめてしまったか、十分なした調べはできているんだろう、ならば、迷わず進め”と徳川もこの段階では反対することはなかった。
織田の手には相変わらず金属がこすれあう感覚がある。
”これは、ねじ性の抵抗では無い!何か見落としている可能性がある。どこだ、どこなんだ。”
思わぬ患者からの抵抗にあせりを感じていた。さらに回転させていると、抵抗が消え、いわゆる”ねじ性”の抵抗が感じられ、さらに回転をすすめた。
さらに進んだところで、まるで、抵抗が無くなり、シリンダーヘッドが開頭された。
”これは。”
ピストンは、シリンダーから飛び出ることも無くとどまっている。ピストンは、スプリングにより加圧されているので、この時点で、その加圧により外に出ようとするはずだが、その様子が無い。
”なにかがおかしい”。
織田はシリンダーをよく見回した。すると、スリット上のへこみがシリンダーに刻み込まれている。
”この位置に合ったのでは、ピストンヘッドは、前進できない。ん!?しまった”
シリンダーのメス側とシリンダーヘッドのねじの部分には、大きな筋が刻まれていた。
”無理やりまわしたからシリンダーのねじ溝と、シリンダーヘッドのねじ溝が使い物にならなくなってる”
この時点で敗戦は決定的なものに、なった。来た道を戻るだけだが、来た道の先には、正常なシリンダー動作は望めない。
すべての処理を施し、再び、形状的にくみ上げた。
計画した開頭を行い、処置を行ったのであるから、見かけ上の手術は成功なのだが、そうではないことを二人の医師は知っていた。
術後患者の初速を量ってみると、50しか出ていない。
”患者の機能が回復していないぞ、何をしたんだ!”、徳川は織田を攻めた。しかし、患者の蘇生は難しい状態になった。
何度初速を測っても予測値には戻らない。
織田は、何度も何度も、計測を行った。しかし、一向に回復の兆しは無かった。
”家族に報告しないといけない”、徳川は織田を即した。
織田は、家族に告げた。
”最善は尽くしました。しかし、もとの状態にもどることは無いでしょう。残念です”
といいながら、自分のしたことを反省する以外に手が無かった。
。。。。。。。
気性の激しい織田は、先輩医師の徳川に、食って掛かっていった。
”そうはいっても、失敗を経験させたくはないんだ。”
”失敗でも経験しないよりはマシです。”
”お前にとってはそうだろう、しかし、残されたものの悲しみを考えたことがあるのか”
”それでもこの症例は報告されていないんです。このタイプのシリンダーの開頭手術の報告例はないんです。誰よりも先に紹介することが大事なんです”
若い医師の決意は、固そうであった。それをみた、先輩医師は、
”十分なまえしらべはしておけよ”あきらめさせることはできなかったが、それでも失敗を起こさせないために
最後の助言をした。
”そんなことわかっています。そのためにこの”シリンダーオープナー”を用意しました。これで、患者への負担は最小限にとどめることが可能なんです。”
織田は、失敗することなど考えることもなく、手術を結構することを決めた。
手術当日、患者と新しい開頭道具が用意された手術室は、いつものようにBGMが流れ、リラックスしたムードで仕事が開始された。
”それでは、はじめます。”
織田は、注意深くシリンダーを持つと、シリンダーオープナーをセットし、おもむろにまわし始めた。織田の手は、予想に反し回転を始め、接着剤による抵抗は感じられなかったが、何か別の金属がすり合わさるような感触を感じていた。
”はじめてしまったか、十分なした調べはできているんだろう、ならば、迷わず進め”と徳川もこの段階では反対することはなかった。
織田の手には相変わらず金属がこすれあう感覚がある。
”これは、ねじ性の抵抗では無い!何か見落としている可能性がある。どこだ、どこなんだ。”
思わぬ患者からの抵抗にあせりを感じていた。さらに回転させていると、抵抗が消え、いわゆる”ねじ性”の抵抗が感じられ、さらに回転をすすめた。
さらに進んだところで、まるで、抵抗が無くなり、シリンダーヘッドが開頭された。
”これは。”
ピストンは、シリンダーから飛び出ることも無くとどまっている。ピストンは、スプリングにより加圧されているので、この時点で、その加圧により外に出ようとするはずだが、その様子が無い。
”なにかがおかしい”。
織田はシリンダーをよく見回した。すると、スリット上のへこみがシリンダーに刻み込まれている。
”この位置に合ったのでは、ピストンヘッドは、前進できない。ん!?しまった”
シリンダーのメス側とシリンダーヘッドのねじの部分には、大きな筋が刻まれていた。
”無理やりまわしたからシリンダーのねじ溝と、シリンダーヘッドのねじ溝が使い物にならなくなってる”
この時点で敗戦は決定的なものに、なった。来た道を戻るだけだが、来た道の先には、正常なシリンダー動作は望めない。
すべての処理を施し、再び、形状的にくみ上げた。
計画した開頭を行い、処置を行ったのであるから、見かけ上の手術は成功なのだが、そうではないことを二人の医師は知っていた。
術後患者の初速を量ってみると、50しか出ていない。
”患者の機能が回復していないぞ、何をしたんだ!”、徳川は織田を攻めた。しかし、患者の蘇生は難しい状態になった。
何度初速を測っても予測値には戻らない。
織田は、何度も何度も、計測を行った。しかし、一向に回復の兆しは無かった。
”家族に報告しないといけない”、徳川は織田を即した。
織田は、家族に告げた。
”最善は尽くしました。しかし、もとの状態にもどることは無いでしょう。残念です”
といいながら、自分のしたことを反省する以外に手が無かった。
。。。。。。。
2011-11-30 00:14
nice!(0)
コメント(8)
自分で変なこと書いたらハードルあがっちゃった。
感動には程遠いが、おいらの落ち込みは結構マジ。
#次回のシリーズは、”復活のとき”になればいいけど。
by siojake (2011-11-30 00:16)
お疲れ様でした。
「弘法も……」、「猿も木から……」と申します。
しおじゃけさまほどの大技術者でも、納得できない結果が出ても仕方がないのではないでしょうか。
そして、これはこれからの輝かしい未来への尊い犠牲だったのでしょう。
合掌……。
by ハンドライフルのマコちゃん (2011-11-30 16:56)
写真つきの
解説でたのんます
by RISKY (2011-12-01 22:22)
うちのSR-2も似たような封印がありましたが、大丈夫でしたね。
シリンダーヘッドのネジ部分にシールテープ巻いて気密を確保すれば初速上がるような気もしますが、病状が分からないので何とも。
by キモシュン (2011-12-02 22:39)
マコちゃんさま。
私は技術者ではないとおもいますよ。
#ただの向こう見ずです。
で、多少の脚色はあるので、そのあたりを考慮に入れていただくと。。。。
by siojake (2011-12-02 23:11)
Riskyさま、
いけないなあ、何でも2次元かしちゃあ。
こういうのは絵を見ないで、想像するから楽しいんじゃない。
#話は了解。
by siojake (2011-12-02 23:12)
キモシュンさま、
多分そうだと思います。
”あれ”をつかえば、うまくいくのではとか思ってます。
by siojake (2011-12-03 00:06)
官能小説かー
大人の世界だね
by RISKY (2011-12-03 23:04)